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松本健一「佐久間象山」中公文庫

(前項からの続き)

このタイトルが思い出せなかったのだ。タイトルというより、佐久間象山という名前が出てこなかった。もともと佐久間象山に興味があったわけではなく、松本健一氏の著作をつまみ食いするように読んでいたので、たまたま文庫本を見かけたので買っておいたもの。表紙の絵がキャッチーだったという理由もある。


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なかなかイケメン

尊王攘夷の嵐が吹き始めたなかで、「夷の術をもって夷を制す」という策=戦略を立案し、海外新技術の導入の必要性を藩当局に執拗に主張し、他藩にも呼びかけ、私塾を開き塾生に説き、いろんな手だてを使って幕閣に建言を試みた。後に早すぎる富国強兵論者と呼ばれた。吉田松陰もその門下生のひとり。松陰の無謀な渡海計画失敗に連座して入獄ののち、蟄居を命ぜられ、8年にも及ぶ幽閉の末に許されて間もなく攘夷浪士に暗殺されて果てる。


しかし佐久間象山、相当に嫌われ者だったようです。態度もでかかったそうだけど(笑)先駆者が蒙りがちな不当な扱いを守旧派から受けるのですが、全然それにめげずに言いたい事を曲げません。だから嫌われるという日本独特の空気感は今も変わってないのかも。なにか今話題の相撲界の改革派親方の嫌われ方とちょっと似てる?インターネットという黒船が出現した当時、ビジネスの現場でそれの可能性に賭けてみようと思った者と、遠巻きに冷ややかに見ていた者との間の冷たい緊張関係を思い出しました。(なんのこっちゃ)こんな事を言うから俺も相当嫌われていたかも(笑)










by votanoria | 2017-11-21 13:32 | | Trackback